先週、叔父が亡くなった。
生前、たまに会いにいくと、アレクサンダーのワークをさせてもらった。
アレクサンダーのワークは「学び」だけれど、
叔父は学びたそうではなかったから、
私が勝手に自分の学びのためにハンズオンワークをした。
後の方になったら、もうワークという感じではなくて、
ただ手を置かせてもらっただけだった。
私と同じで腎臓が弱かったので、
そのあたりに手を置くと手の熱が背中の中に
ごおっと入っていくようだった。
気持ちいいねぇと言ってくれた。
起きられなくなってからは、手の平を揉んだり、
膝をなでなでしたものだった。
叔父はいつも、あー、きもちがいいねぇと喜んでくれた。
◆
その叔父の告別式でびっくりしたことがあった。
お骨がたくさん残っていて、
係の方も驚いていた。
80半ばなのに、40代の骨のようです、と。
係の方は主な骨を説明してくれる。
大腿骨の膝も股関節側の丸い骨も残っている。
腰椎などは、普通はなくなってしまうのに、骨髄まで白く残っている。
そして、粉になっている部分がとても少ないから、
カルシウムをしっかり含んだ骨だったことがわかると。
説明はされなくても、
肋骨、肘の関節、脊椎もそれとわかった。
そして、私は叔父に教わっているんだと思った。
解剖図でみている骨の、本物を見せてくれているんだと。
亡くなってまで。
お坊さんの形をしている首の上から2番目の骨、第二頸椎。
そして、残っているのは珍しい1番上の骨、第一頸椎。
お坊さんの形の骨の上に、第一頸椎を乗せる。
袈裟に例えらますと言って。
私はもちろん、トップジョイントと呼ばれる第一頸椎の上の
小さなカップ型の2つの関節面を見た。
本当に豆のような形の凹なんだな。
下顎、上顎、そして頭蓋。
頭蓋の裏を見せてもらう。
数々の突起もきれいに残っている。
トップジョイントの頭側の2つの凸も・・・。
首の骨と頭の出会うところがはっきりわかった。
はじめは1個の卵から始まった86年の人生の中で、
叔父はあの骨を、何もないところから作り、
育て、使ってきたんだ。
この骨たちはずっと更新されながら
叔父を支えてきたんだ。
自分の身体を作りづづけ
何十年も生きていくことの驚異。
来週末リビング・イン・ア・ボディで
骨や筋肉のことを紹介する。
これまでは、ただ身体を学ぶことは面白く
なるほどと楽しむことができた。
今から、もっと深く体験して、
学んで、知って、付き合ってゆこう。
1個の卵から私自身が作った私の身体。
その中にある骨が、
いつか燃え残って
外の空気に触れる時が来る日まで。

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