先日、ミケランジェロと理想の身体展という展覧会に行きました。
ミケランジェロの作品は二体だけで、他はギリシャローマ時代の彫刻や、男性や子供を描いた壺などが展示されていました。
女性の彫刻が一つもなかったことに驚きましたが、タヌキ(夫)の言によればギリシャ時代に女性の裸体を表した彫刻や絵はなかったとのこと。除外したわけではなく、もともと作られていなかったのだそうです。そのせいか、男性と言っても中性的な魅力をもった表現も多かったようでした。
大きな彫刻はぐるり360度見渡せるようになっており、よい展示でした。
彫刻にはそれほど興味を持っていたわけではありませんが、どのように作るのだろう?なぜこのモチーフを作ったのだろう?と興味がわきましたし、ミケランジェロも学ぶ対象としたという古代ギリシャの芸術というものを、まるでこの世の物とは思えない気持ちで鑑賞しました。
それはさておき、小さな彫刻です!
ギリシャやローマの彫刻を模して、後の時代の彫刻家はそのコピーを残しています。
勉強のためだったのかもしれないし、依頼された作品なのかもしれません。
同じ大きさでコピーしたものもあれば、小さくしてコピーしたものも多かったようです。
私は、大きな彫刻をなぜ小さくしてしまうのだろう?と疑問に思って見ていました。
微かないらだちすら感じました。小さくしちゃったら意味がないじゃないか!
持ち運びが便利、というのは想像できます。
でも、小さくしてしまったら、大きな彫像の迫力が全くなくなってしまいますし、如何に精巧な細工であっても、元の彫刻とは全く別物になってしまいます。
そうしたら、イヤホンガイドの解説で
「持ち運びもできるし、触って楽しむこともできます」と言っているではありませんか!
「はっ!👀!」としました。
小さな彫刻は、集めたり並べて鑑賞するだけの楽しみではないのだ!
手の中でその感触を楽しむことができるんだ!!!!
これは初めて聞いたグッドアイデアでした。
いきなりスケールが違いますが、フィギュアやミニチュアなんか集めては飾って楽しむものだと思っていました。
触ったりしていたらすぐ壊れたり、変形してしまったり、色が剥げてしまいます。
ですが、銅製やブロンズの小さな像であれば、
この、いつまでも見ていたいと感じさせる彫像の起伏を手で味わうことができる!
ギリシャ彫刻の芸術性を自分の手の中で触れて楽しむということができる!
そういうことだったのか!!!!
すごーい!!!!✨
写真は唯一撮影が許されていたラオコーンです。大きな彫刻です。
ミケランジェロのノミの後が残る「アポロダビデ」も興味深かったです。
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