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叔父の骨から学ぶ

執筆者の写真: 安田ヨウコ
安田ヨウコ
2019年11月22日
読了時間: 2分

先週、叔父が亡くなった。


生前、たまに会いにいくと、アレクサンダーのワークをさせてもらった。

アレクサンダーのワークは「学び」だけれど、

叔父は学びたそうではなかったから、

私が勝手に自分の学びのためにハンズオンワークをした。


後の方になったら、もうワークという感じではなくて、

ただ手を置かせてもらっただけだった。

私と同じで腎臓が弱かったので、

そのあたりに手を置くと手の熱が背中の中に

ごおっと入っていくようだった。

気持ちいいねぇと言ってくれた。


起きられなくなってからは、手の平を揉んだり、

膝をなでなでしたものだった。

叔父はいつも、あー、きもちがいいねぇと喜んでくれた。


◆


その叔父の告別式でびっくりしたことがあった。

お骨がたくさん残っていて、

係の方も驚いていた。

80半ばなのに、40代の骨のようです、と。


係の方は主な骨を説明してくれる。

大腿骨の膝も股関節側の丸い骨も残っている。

腰椎などは、普通はなくなってしまうのに、骨髄まで白く残っている。

そして、粉になっている部分がとても少ないから、

カルシウムをしっかり含んだ骨だったことがわかると。


説明はされなくても、

肋骨、肘の関節、脊椎もそれとわかった。

そして、私は叔父に教わっているんだと思った。

解剖図でみている骨の、本物を見せてくれているんだと。

亡くなってまで。


お坊さんの形をしている首の上から2番目の骨、第二頸椎。

そして、残っているのは珍しい1番上の骨、第一頸椎。

お坊さんの形の骨の上に、第一頸椎を乗せる。

袈裟に例えらますと言って。


私はもちろん、トップジョイントと呼ばれる第一頸椎の上の

小さなカップ型の2つの関節面を見た。

本当に豆のような形の凹なんだな。


下顎、上顎、そして頭蓋。

頭蓋の裏を見せてもらう。

数々の突起もきれいに残っている。

トップジョイントの頭側の2つの凸も・・・。

首の骨と頭の出会うところがはっきりわかった。


はじめは1個の卵から始まった86年の人生の中で、

叔父はあの骨を、何もないところから作り、

育て、使ってきたんだ。

この骨たちはずっと更新されながら

叔父を支えてきたんだ。


自分の身体を作りづづけ

何十年も生きていくことの驚異。


骨や筋肉のことを紹介する。

これまでは、ただ身体を学ぶことは面白く

なるほどと楽しむことができた。


今から、もっと深く体験して、

学んで、知って、付き合ってゆこう。

1個の卵から私自身が作った私の身体。


その中にある骨が、

いつか燃え残って

外の空気に触れる時が来る日まで。


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