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  • 執筆者の写真安田ヨウコ

たのしい入院生活-4 マイスペースの確保 その1

一度しか入院したことがない若輩者の私が言うのもなんですが、入院生活で最もパワフルなサポートになったことは「マイスペースの確保」です。


マイスペースというのは、文字通り「私の空間」つまりベッドとその周辺ということになります。病院という異空間に寝間着でポンと投げ出されてしまうことは、ある人にとってはなんでもないことでも、ある人にとっては心もとなく怖いものです。


ただでさえ、病気や検査やなにやらで気分も具合も悪いのですから、「ここは安心だ」と思える場を確保するのがとても大事です。


また、相部屋でお隣さんやお向かいさんがいらっしゃる場合には、他者との境界をしっかり引くことがお互いに心地よく生活する助けになります。だからといって、ここから入るな!というように角を立たせる必要はありません。


私の場所=ほっとする場所


病院にあるものは、ほとんど無記名で殺風景な物物ばかりですから、わたしたちもつい「患者の一人」として殺風景に紛れ込んでしまい、自分が「私」という唯一無二の存在であることを忘れてしまいます。


マイスペースを確保することで、少なくとも私は「ほっ」とできました。

今考えるとそれはとても大切なことでした。「私」がここに存在し、生きている!ということを「自分が納得」できたからです。自分はここで存在している、ってことを忘れてしまうと、あなたの生命力は脅かされ、治療に専念できません。

マイスペースを確保して、ほっとして、気を確かにもつことで、治療に積極的に参加することができました。


どのように確保するか


では、どうやってマイスペースを確保したらよいでしょう。

とても簡単です。いくつかの方法をご紹介します。


1)カーテンを使う

カーテンに区切られた空間を自分のスペースとしてしっかり意識しましょう。


病室には、医師や、看護師さん、御飯を運ぶ人、検査技師さんなど、いろいろな人が訪ねてきます。お仕事のみなさんはカーテンのことはあまり気にしていません。

みなさんが帰る時に、カーテンをきちんと閉めてもらう。ということはとても大事です。

(何回かお伝えしたら、ああ、この患者さんはカーテンを閉めてもらいたいんだな)と分かってもらえて、協力してもらえます。


窓がないベッドにあたって、カーテンで区切られていると気づまりな場合は別です。自分がどうしたら心地よいかを感じてください。開いているほうがさみしくないという場合もあります。


次は、カーテンで少々意識のお遊びをします。

まず、息を吐いて落ち着きます。自分のからだ全体を思い出します。首のあたりをぎゅっとするのをやめます。からだ全体には頭のてっぺんも手も肘も足の裏もぜんぶ含まれています。


物理的にカーテンを意識しましょう。カーテンはふわふわして短くて、頼りなさげですが、意識の遊びを使ってあなたのお城の壁にしてしまいましょう。


カーテンに区切られた内側のスペースは「私のスペースだ!」としっかり意識して決めます。そして、カーテンで区切られた自分の四角いスペースを隅から隅まで凝視しましょう。眼からキラキラビームが出ていると思えばなおよし。あなたのスペースはキラキラビームで守られています。


時々思い出したときに、隅々に目を走らせて、自分のスペースをキラキラで満たしましょう。

四隅にまるいフロアーランプを置くというイメージをつかってもよいですね。

キラキラでも、ピカピカでも、ほわほわでも、構いません。

凝視するのでなくて、息を吹きかけるのでも構いません。

要はなんでもいいのです。

あなたが意識してカーテンを使うことが大事です。

これは、横たわっていてもできるし、意識だけでできるので簡単です。


(入院している人が意識がない場合などは、お見舞いの方が代わりにしてもよいと思います)


つづく






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